「日本トレーディングカード協会」という団体の名前を、ニュースやX(旧Twitter)で目にする機会が増えてきました。2025年11月に設立されたばかりの新しい業界団体で、トレーディングカード(トレカ)を文化・産業として育てることを掲げています。
一方で、設立から日が浅いこともあり、「どんな団体なのか」「誰が運営しているのか」「公的な機関なのか」といった基本情報がまとまった記事はまだ多くありません。
この記事では、公式サイトや法人登記などの公開情報をもとに、「トレカ協会」とも呼ばれる日本トレーディングカード協会(JTCA)の概要・活動内容・役員構成・参加企業制度・設立の背景を、トレカプロ編集部が中立的な立場で整理します。
日本トレーディングカード協会(JTCA)とは|団体概要

日本トレーディングカード協会(Japan Trading Card Association、略称JTCA)は、2025年11月14日に設立された一般社団法人です。トレーディングカードを「単なる娯楽ではなく、日本の重要な文化・産業」と位置づけ、その価値を国内外に発信することを目的に掲げています。
公開情報から確認できる団体概要は以下のとおりです。
| 名称 | 一般社団法人日本トレーディングカード協会(Japan Trading Card Association) |
|---|---|
| 設立 | 2025年11月14日 |
| 法人番号 | 9010505003661 |
| 所在地 | 東京都千代田区外神田5-1-3 ニュー末広ビル502 |
| 代表理事 | 水野 由将(会長)、伊藤 奈保子(事務局長兼務) |
| 公式サイト | https://www.jtca-web.or.jp/ |
| 公式X | @jtca2025 |
掲げている活動テーマは、公式大会の運営、詐欺・不正への対策、企業・店舗との連携、トレカ文化の継承・発信などです。プレイヤー・コレクター・ショップ・メーカー・鑑定機関といった業界の関係者をつなぐ立場を目指すとしています。
「一般社団法人」であり、公的機関や独占的な業界団体ではない
前提として押さえておきたいのは、同協会が官公庁や省庁の外郭団体ではなく、民間の一般社団法人だという点です。
一般社団法人は登記のみで設立できる法人格で、設立に行政の許認可は必要ありません。「協会」という名称から公的な認定機関を連想するかもしれませんが、現時点で同協会が国からトレカ業界を代表する地位を与えられているわけではなく、加盟が業界の義務になっているわけでもありません。
また、トレカを含む玩具業界には、市場規模調査で知られる一般社団法人日本玩具協会のような歴史ある団体も存在します。日本トレーディングカード協会は「トレカ専門」をうたう新しい団体の一つ、というのが現在の位置づけです。
トレカプロ編集部の補足: 一般社団法人は、社員2名以上と役員をそろえて定款を作り、公証役場での定款認証と法務局への設立登記さえすれば、誰でも設立できます。行政の許認可や審査はなく、資本金も不要です。実費は定款認証手数料と登録免許税をあわせて11万円前後、専門家への依頼料を含めても十数万〜20万円程度が相場とされています。「協会」という名称そのものが信頼性や公的なお墨付きを保証するわけではないため、団体の評価は名称ではなく、活動実績と構成メンバーで判断するのが基本です。
同じ略称「JTCA」の別団体と混同しない
略称の「JTCA」は、日本運輸協力協会や日本テクニカルコミュニケーター協会など、まったく別分野の複数の団体が以前から使用しています。検索時にドメインの異なる公式サイトが複数ヒットするのはこのためです。
トレカの協会の公式サイトは `jtca-web.or.jp` です。別分野の団体の情報と混同しないよう注意してください。
また、名称が似ている組織として、オンラインオリパサービスを運営する「株式会社日本トレカセンター」や、「日本酒・焼酎トレーディングカード協会」がありますが、いずれも別の組織です。執筆時点の公開情報では、これらと日本トレーディングカード協会の関係を示す情報はありません。
何を目指す団体なのか|掲げる3つの柱
公式サイトでは、活動の方向性として次の3つの柱が示されています。
1. 文化をつなぐ
トレカをコンテンツ産業の一部と位置づけ、その文化的な価値を国内外に発信していくとしています。イベント情報としては「トレーディングカード文化展 2026 春」の開催が案内されています(執筆時点で専用ページはなく、公式サイトのイベント情報に掲載されています)。
2. プレイヤーを育てる
全国で対戦環境を整備し、プレイヤーの育成を支援するとしています。公式サイトの大会情報では、理事企業の一つである株式会社はっちが関わる「はっちCS」関連大会などが掲載されています。
3. 地域を支える
トレカのイベントや大会を通じた地方創生への貢献を掲げています。
このほか、設立趣旨として詐欺・不正対策への言及もあります。トレカ市場では偽造品や高額転売、不透明な取引がかねて問題視されており、こうした課題に業界横断で取り組む受け皿を目指す姿勢がうかがえます。ただし、具体的な対策プログラムや実績はまだ公表されておらず、活動の実態はこれから積み上がっていく段階です。
役員構成|誰が運営しているのか
公式サイトの役員一覧(基準日2026年7月1日)に記載されている役員構成は、2026年8月19日時点で以下のとおりです。
| 役職 | 氏名 | 主な肩書 |
|---|---|---|
| 代表理事 | 水野 由将 | (一社)日本トレーディングカード協会 会長 |
| 代表理事 | 伊藤 奈保子 | (一社)日本トレーディングカード協会 事務局長 |
| 理事 | 山口 雄示 | 株式会社YAMAKOMA ASSET BANK 代表取締役 |
| 理事 | 岡谷 亮佑 | 株式会社マルチプル 代表取締役 |
| 監事 | 大山 詠司 | 事業創造株式会社 代表取締役社長 |
理事には、トレカ関連イベントや資産管理などの事業会社の代表が名を連ねています。大手カードメーカー(ポケモン・コナミ・ブシロードなど)の名前は、執筆時点の公開情報には見当たりません。メーカー側がどう関わっていくのかは、今後の会員企業の公表を待つ必要があります。
役員一覧の記載は7月から変わっている(2026年8月19日時点)
この役員一覧は、7月時点の記載から内容が変わっています。編集部が確認した範囲での差分は次の2点です。基準日の表記は「2026年7月1日」のまま据え置かれています。
| 項目 | 2026年7月24日時点の記載 | 2026年8月19日時点の記載 |
|---|---|---|
| 代表理事・水野 由将 氏の肩書 | 株式会社TRI-TRY 共同代表・株式会社Arsales 共同代表 | (一社)日本トレーディングカード協会 会長 |
| 理事・八塚 健 氏(株式会社はっち 代表取締役) | 記載あり | 記載なし |
なお、水野氏の肩書は本記事の初稿執筆時点(2026年7月23日)には記載自体がなく、7月24日に「株式会社TRI-TRY 共同代表・株式会社Arsales 共同代表」が追記され、その後現在の「協会 会長」表記に変わった、という経緯です。
変更の理由や、八塚氏が退任したのか表記上の整理なのかについて、協会からの説明は執筆時点で確認できていません。役員の異動は登記事項のため、正確な状況は法人登記で確認するのが確実です。ここでは公式サイトの記載が変わったという事実のみを記録し、理由の推測は行いません。
参加企業制度|メリットと現状
協会はメーカー・流通・ショップなどを対象とした参加企業(パートナー)制度を用意しており、公式サイトでは参加のメリットとして次の4点を挙げています。
- 業界の企業・団体との連携・協力体制(ネットワーク)
- 産業全体の健全な成長への貢献(業界発展)
- イベント・大会のスポンサー枠(協賛機会)
- 公式大会への優先参加機会(特別参加枠)
公式サイトの参加企業ページには「全国のメーカー・流通・ショップ等の参加企業をご紹介します」との記載と会員規約へのリンクがありますが、参加企業の一覧は執筆時点で「COMING SOON」となっており、公式には公表されていません。
会員区分と年会費|会員規約から分かること
公式サイトの会員規約では、会員区分と年会費が定められています。
| 会員区分 | 対象 | 年会費(口数方式) |
|---|---|---|
| 正会員 | 協会の目的に賛同する個人のうち、貢献度が高い者を理事会が指名 | ー |
| 一般会員 | 協会のサービス提供・利用を主とする個人 | 1口につき年額1,000円 |
| 賛助会員 | 協会の事業を賛助する個人・団体(主に法人) | 1口につき年額50,000円 |
入会は所定の書面またはウェブサイトの申し込みフォームで申請し、承認を経て有効になる仕組みです(正会員は理事会承認、その他は代表理事承認)。既納の会費はいかなる事由があっても返還されない旨も規定されています。
このほか会員規約からは、次の点も確認できます。
- 一般会員・賛助会員は、社員総会における議決権を持たない(第7条。定款第11条・第16条の規定に基づく)
- 賛助会員(法人等)には、納入口数に応じた特典プラン(Aプラン・Bプラン・Cプラン)が適用される。詳細は別途定めるとされ、執筆時点でプランの中身は公表されていない(第8条)
- 一般会員(個人)の特典は当面の間、口数にかかわらず一律(第8条)
- 成人の個人会員については口数の上限を設けない(第5条)
つまり、会費を納めて会員になっても協会の意思決定(社員総会)に参加できるわけではなく、運営の決定権は正会員・役員側にある構造です。これは一般社団法人ではよくある設計ですが、入会を検討する場合は押さえておきたいポイントです。
参加企業一覧は一時公開されたのち、非公開になった
経緯として押さえておきたい事実があります。オタク総研の報道によると、公式サイトの参加企業一覧は一時公開されており、そこに掲載されていたのは竜星の嵐・magi・カードショップはっちなどのカードショップ9社で、カードメーカーの名前はなかったとされています。同報道はこの構成を、事実上の「ショップ連合」と表現しています。
その後、2026年7月22日23時頃に一覧が「COMING SOON」表記へ変わり、非公開になったことが同報道で確認されています。この変更について、協会は当時は直接の説明をしていませんでしたが、後述の公式Q&A(2026年8月2日)で「開設準備段階において確認体制が十分ではなく、一部掲載内容に誤りがございました」と説明しています。
一時公開された顔ぶれを巡っては、X(旧Twitter)上で投稿が拡散し、「大手メーカーや主要ショップチェーンの名前が見当たらない」といった懐疑的な反応が多く見られました。一方で、非公開になった一覧は確定情報ではなく、誤記載などの可能性も報道で指摘されています。
これに関連して協会は7月23日、公式Xで「議員連盟設立総会に合わせたご案内となった関係上、ホームページは現在も一部未完成の状態」「多くの企業・団体との連携を進めており、掲載内容も順次整備を進めている」と発信しています(参加企業一覧の非公開そのものに直接言及した説明ではありません)。あわせて、今後お問い合わせフォームを設置し、連携に参加する企業を募集する予定であることも告知されました。
さらに協会は公式Xで、「現在準備中」としている会員企業について「当協会の理念に賛同し、トレーディングカード文化の振興や、偽物・詐欺被害の防止に向けた情報共有などの活動趣旨にご賛同いただいた企業」であると説明したうえで、「会員であることが、特定企業を認定・評価・推奨することを意味するものではありません」「市場へ影響を与えることを目的とした団体でもありません」と発信しています(2026年7月24日確認)。あくまで業界全体の課題についての情報共有と連携が目的である、という趣旨の説明です。
評価を下すのは、協会からの正式な一覧公表と説明を待ってからが妥当でしょう。
晴れる屋・齋藤友晴氏が加盟を表明
こうした中で、マジック:ザ・ギャザリング(MTG)専門店大手「晴れる屋」を運営する株式会社晴れる屋の代表で、元プロMTGプレイヤーの齋藤友晴氏が、2026年7月24日に自身のXで協会への加盟を表明しました。
日本トレーディングカード協会やトレーディングカード議員連盟の設立によって、カードゲーム業界についての発信や議論が活発化している現在の好影響をいち加盟店の立場ながら嬉しく思います。現状維持で充分ハッピーだという人が多い事は嬉しい事でもありますが、諸問題から目を背けず、この国が誇る素晴らしい文化のひとつを本当に守り続けたいし発展させたいという想いのほうが強く共感出来たので加盟しました。
齋藤氏は同じポストの中で、「あくまで推測ですが、多くの大手カード屋や、メーカーは得体の知れないリスクをケアして様子見の段階だと思います」との見方も示したうえで、活動を通じて業界全体のつながりが広がっていくことへの期待を述べています。
参加企業一覧を巡っては「大手ショップやメーカーの名前が見当たらない」という懐疑的な反応が広がっていた経緯があるため、大手ショップ経営者による公の加盟表明は、その状況が動き始めたことを示す事実として押さえておきたいポイントです。
協会は誹謗中傷への法的措置も表明
2026年7月24日夜には、協会が公式Xで、SNS上の投稿への対応方針を表明しました。
ポストではまず、「厳しいご意見も含め、建設的なご指摘は真摯に受け止めてまいります」「当協会は、批判やご意見そのものを問題視するものではありません」と、批判や意見自体は受け止める姿勢を示しています。
そのうえで、企業・議員・協会および関係者に対する「事実と異なる情報の拡散や、人格を攻撃するような誹謗中傷」が確認されているとして、「虚偽の事実の流布や名誉を毀損する行為、関係者の安全や事業活動に支障を及ぼす悪質な投稿」については記録・保存を行い、必要に応じて発信者情報開示請求をはじめとする法的措置を講じると発信しました。あわせて、「悪質性が高いと判断した一部の案件については、すでに手続きを進めております」とも述べています。
どの投稿が対象なのか、具体的な件数や内容は明らかにされていません。一般論として、SNS上での批判や意見表明は自由ですが、事実と異なる内容の断定的な投稿や人格攻撃は、発信者情報開示請求や損害賠償請求の対象になり得ます。協会に関する話題に触れる際も、事実と意見・推測を区別し、一次情報を確認したうえで発信するのが安全です。
会費や説明を巡るユーザーの受け止め
一連の動きに対して、X(旧Twitter)上のプレイヤー・コレクター層からは、歓迎よりも戸惑いや疑問の声が目立っているのが執筆時点の状況です。批判の論点は、大きく次のように整理できます。
- 説明の順序への疑問: 活動実績や会員企業の全体像が示される前に、議員連盟の総会出席など対外的な動きが先行したことへの違和感
- 目的・透明性への疑問: 掲げる理念と実際の活動内容の関係、運営の透明性を求める声
- 会費への疑問: 年会費の設定について、使途や意義の説明を先に求める声
会費については、あるユーザー(@kazuha0023)が「協会の年会費徴収をどう思うか」を問う非公式アンケートを実施し、「まず説明しろ。話はそれから」57.2%・「意味不明」39.1%・「払いたい」3.7%(430票・回答途中)という結果になっています。これは一個人による任意アンケートで統計的な代表性はありませんが、「まず説明を」という受け止めが一定数あることの目安にはなります。
また、規制やビジネスの話が先に立つことへの違和感として、「トレカが大人の投資対象になってしまった状況を、子どもたちが楽しめる遊びに取り戻してほしい」という趣旨の、プレイヤー目線を重視する声も見られます。議連側で赤松健議員が「初回はもう少しプレイ側に振った方が」と述べたのと通じる論点で、「取引・資産の話」と「遊び・文化の話」のどちらに軸を置くのかへの関心の表れと言えます。
これらはいずれも個人の意見であり、協会側は前述のとおり「サイトは一部未完成で順次整備中」「会員であることは特定企業の認定・評価・推奨を意味しない」と説明しています。どちらか一方を鵜呑みにせず、協会からの正式な情報公表を待って判断するのが妥当です。なお、こうした議論の一部には事実確認が伴わない断定的な投稿も含まれるため、発信・拡散の際は一次情報の確認が欠かせません。
オンラインオリパへの対応方針を表明(7月25日)
こうした議論を受け、協会は2026年7月25日、公式Xで「オンラインオリパに関する基本的な考え方と対応方針」を表明しました。会員にオンラインオリパ事業者が含まれるとされることから、協会がオリパ規制にどう関わるのかが注目されていた論点です。
声明の要点は次のとおりです(協会の主張であり、編集部の評価ではありません)。
- オンラインオリパには取引の透明性、表示・広告のあり方、利用者保護、過度な利用や依存への懸念など様々な課題が指摘され、社会的関心が高まっていると認識している
- 協会の主目的は文化振興・プレイヤー育成・地方創生・偽造品や詐欺・悪質取引の排除であり、オンラインオリパへの規制推進や、特定の事業形態の是非を判断すること自体は主目的ではない
- オンラインオリパを無条件に肯定する立場でも、事業形態そのものを一律に否定する立場でもない。反社会的勢力や悪質事業者の関与を排除できているかなど、実態に基づいて検証すべきものと考える
- ランダム性を伴う商品・サービスは他分野にも広く存在するため、制度やルールは既存の法制度や他業界との整合性・公平性・利用者保護の観点を踏まえ慎重に検討する必要がある
- 「規制を設けること自体を目的としている団体ではない」。明確な問題が確認された場合は、オリパに関するものか否かを問わず必要な対応を検討する
- 会員制度の参加基準・運営方針は継続的に見直す。オリパ事業者の加盟も、事業形態のみで一律に判断せず、運営実態・取引の透明性・利用者保護・法令遵守の状況などを踏まえて審査・判断する
要約すると、「オリパ規制の推進は協会の役割ではない」「肯定も一律否定もせず、明確な問題があれば個別に対応する」という、態度を限定した中立的な立場の表明です。
この声明に対しては、X上で「協会の姿勢がはっきりしない」「オリパ事業者が会員にいることとの整合性はどうなのか」といった疑問の声が多く寄せられている一方、「他業界との公平性を踏まえる姿勢は妥当」との受け止めもあります。オリパそのものの法的論点(景品表示法・賭博罪など)については、以下の記事で中立的に整理しています。
事業者として参加を検討する際は、公表されている情報がまだ限られていることを踏まえ、活動実績・会員構成・会費の使途などを確認したうえで判断するのが堅実です。これは同協会に限らず、新設の業界団体全般に言える一般論です。
神奈川県警察との連携|盗難カードの情報共有を検討(2026年8月10日)
2026年8月10日、協会は公式Xで、神奈川県警察と連携し、盗難トレーディングカードの流通防止に向けた情報共有の検討を開始したと発表しました。設立以降、連携先と取り組み内容を具体名で示した最初の発表です。
発表の要点は次のとおりです。
- 警察は盗難品の流通防止のため、必要に応じて買取店など関係事業者へ情報提供を行っている
- 一方で、トレカ専門店へ迅速かつ広く情報を共有するための業界横断的な仕組みには課題があった
- その第一歩として、神奈川県警察から盗難トレカの情報提供を受け、トレカ専門店へ共有する「情報提供窓口」となる取り組みの検討を開始した
- 将来的には全国の警察との情報共有体制の構築を目指す
情報共有を迅速に行うことで、盗難品が市場に流通するリスクの軽減を図るとともに、盗難品の売却や流通を困難にする環境づくりを通じて、犯罪の抑止にも繋げてまいります。
留意点として、現時点は「検討を開始した」段階です。運用の開始時期、情報を受け取れる店舗の範囲(会員企業に限るのか、業界全体に開くのか)、共有の手順や取り扱いルールは公表されていません。神奈川県警察以外の警察本部との連携も「目指す」との表明にとどまります。
トレカプロ編集部の補足: 盗難カードは、被害届が出ていても買取店側に「どのカードが盗難品か」を知る手段がなければ、そのまま買い取られて市場に流れてしまいます。カードは個体識別が難しく、店舗ごとに情報が分断されている点が実務上のボトルネックでした。取り組みの実効性は、どれだけ多くの買取店に、どれだけ速く情報が届くかで決まります。会員企業だけに閉じた仕組みになるのか、加盟の有無を問わず業界全体に開かれるのかは、続報で確認したいポイントです。
なぜ「神奈川県警察」なのか|編集部にも同様の照会が届いている
発表に対しては、X上で「なぜ警視庁ではなく神奈川県警なのか」という反応が多く見られました。県警への評価を引き合いに出した揶揄も少なくありません。
この点について、編集部として補足できる事実があります。トレカプロにも2026年8月、神奈川県警察本部の捜査部門(盗品捜査を担当する係)から、買取店への情報共有について協力を求める照会が届いています。内容の要旨は次のとおりです(捜査中の案件のため、担当者名・事件の詳細は伏せます)。
- 高額なポケモンカードの窃盗事件を捜査しており、鑑定書付きのカードであることから盗品登録を行い、品触れ・手配書を作成している
- 従来は大手買取業者や質店に品触れ・手配書を郵送やデータで送り、該当品を把握した際に連絡をもらう流れで捜査を進めてきた
- しかしトレカは取扱店・買取実績の把握が難しく、盗品捜査が難航している
- 各店舗に足を運んで品触れ・手配書を配布しているが、時間だけがかかっている状況
- そこで、買取店とつながりのある事業者から各店舗へ情報共有を図ってもらえないか
つまり今回の連携は、抽象的な業界横断の構想が先にあったというより、実際の窃盗事件の捜査で「配る先が分からない」という現場の詰まりが先にあり、その受け皿を探す動きの中から出てきたものと考えられます。「なぜ神奈川県警か」への現実的な答えは、いま高額カードの盗品捜査を抱えているのが同県警だから、という順序です。
トレカプロ編集部の補足: 「品触れ」は古物営業法に基づく制度で、警察署長が古物商に対して盗品の特徴を通知し、古物商はその書面を一定期間保存し、該当する品を持っていれば届け出る義務を負います。制度自体は昔からありますが、前提が「どの店に配ればいいか把握できていること」にあります。質屋やリサイクルショップと違い、トレカの買取は専門店・ネット買取・オリパ事業者まで裾野が広く、警察側が店舗リストを持っていません。ここが今回のボトルネックです。裏を返せば、業界側に「一斉に情報が流れる導線」ができれば効く余地は大きい、ということでもあります。
「同じカードなのに盗品と判別できるのか」という疑問
ユーザーからは、「同一のカードが大量に刷られているのに、盗品かどうかどう見分けるのか」という現実的な疑問も出ています。もっともな指摘です。
ここで手がかりになるのが「鑑定書付き」という条件です。PSAやBGSなどの鑑定機関でスラブ(ケース)に封入されたカードには、個体ごとに固有の認定番号(シリアル)が付き、鑑定機関のデータベースで照合できます。生カード(未鑑定カード)は個体識別が困難ですが、高額帯で流通の中心になっている鑑定済みカードは番号で特定できるため、盗品の照合が成立します。
実際、編集部に届いた照会でも対象は「鑑定書付きのポケモンカード」でした。当面この仕組みが機能するのは主に鑑定済みの高額カードで、生カードの盗難まで同じ精度でカバーできるわけではないという点は、期待値として押さえておくべきでしょう。
なお、発表への反応としては、配送中の盗難被害への対策や、大量購入・価格の吊り上げといった別の課題への対応を求める声も多く見られました。盗難品の流通防止はトレカ市場の課題の一つであり、これで市場全体の問題が解決するわけではありません。
公式Q&Aで示された説明|会費・運営体制・議連との関係(2026年7月31日〜8月18日)
7月の一連の議論を受け、協会は2026年7月31日から公式Xで「JTCAに関するQ&A」の連載を開始しました。「この1週間、いただいたご意見を受け止め、事実関係や協会の考え方について整理を進めてまいりました」として、1問ずつ小分けに回答を投稿していく形式です。8月18日時点で10件ほどが投稿されており、協会側は「今後の活動状況や体制整備に応じて随時更新する」としています。
以下は、そこで示された説明の要旨です(いずれも協会の主張であり、編集部が裏付けを取ったものではありません)。
会費は「まだ受け取っていない」と説明(8月5日)
会費については、会員規約に年会費の定めがある一方で、実際の徴収はまだ始まっていないという説明が出ています。
- 現在は設立初期段階のため会員募集を本格的に開始しておらず、会費を支払っている企業・団体・個人はまだない
- 協会役員は報酬を受け取っておらず、活動に必要な運営費は理事・役員が負担している
- 趣旨に賛同する多くの人が、知恵や時間を出し合いながら無償で協力している
- 出典: 協会公式Xポスト(2026年8月5日)
今後の使途についても、同日の別ポストで説明しています。会員募集を本格開始した際に会費を預かる予定で、文化の普及活動、イベント運営、子ども・初心者向けの入門教室、偽物や詐欺・盗難品の被害防止に向けた情報発信、広報誌や活動報告の作成、事務局運営などに充てるとしています。あわせて、会費の使途や活動内容は広報誌・活動報告を通じて分かりやすく伝え、透明性のある運営に努めるとも述べています(出典)。
トレカプロ編集部の補足: 7月に「会費を取るのか」「使途の説明が先ではないか」という声が集まった論点に、金額ではなく「まだ受け取っていない」という現況から答えた形です。会員規約に賛助会員1口5万円・一般会員1口1,000円という定めがあること自体は変わっておらず、規約上の定めと実際の徴収状況は別、という整理になります。なお「役員報酬なし」「運営費は理事・役員の自己負担」は協会側の自己申告であり、第三者が検証できる決算資料は執筆時点で公表されていません。一般社団法人の決算公告(貸借対照表)は事業年度終了後に行われるため、確認できるとすれば初年度の公告以降になります。
政府・議員連盟からの資金提供は否定(8月14日)
「議連と近すぎるのではないか」という声に対しては、資金面のつながりを明確に否定しています。
JTCAは政府や議員連盟から活動資金の提供を受けていません。現在の運営費は理事・役員による自己負担で賄われており、協会は独立した立場で運営しています。
議連との関係そのものについても、8月2日のQ&Aで「トレーディングカード文化や業界に関する意見交換や情報共有を行う関係」であり、「議員連盟が協会の運営や意思決定を行うことはありません」と説明しています(出典)。
運営体制は「理事・役員中心」、氏名非公表の協力者がいると説明(8月18日)
体制については、8月18日のQ&Aで次のように説明されています。
- 設立初期段階にあり、理事・役員を中心に体制整備を進めている
- カードショップ、メーカー関係者、プレイヤー、コレクター、鑑定・流通、法律、IT、イベント、広報など各分野の知見を持つ人が関わっており、氏名の公表有無にかかわらず実務・制度設計の面で助言・協力を得ている
- すべての体制が完成しているわけではないが、専門性や経験を持ち寄りながら協会づくりを進めている
- 現在は役員報酬等は発生しておらず、活動も無償で行っている
- 出典: 協会公式Xポスト(2026年8月18日)
「氏名の公表有無にかかわらず」という書き方から分かるとおり、役員一覧に載っていない協力者が存在することを協会自身が認めている形です。誰がどの立場で関わっているかは公表されておらず、透明性を求める声にどこまで応えたことになるかは、読み手の判断が分かれるポイントでしょう。
そのほかのQ&A|参加資格・メーカー・誤掲載・今後の活動
| テーマ | 協会の説明 | 投稿日 |
|---|---|---|
| 誰が参加できるか | 趣旨に賛同するトレカ産業の企業・団体・個人。ただし理念や活動方針の理解に加え、活動実態やこれまでの実績を確認する審査を行う。会員数を増やすこと自体は目的にしない | 8月1日 |
| メーカーは参加しているか | メーカー各社に趣旨を説明し、意見を伺いながら連携を進めている段階。転売・買い占め・不適切な横流しはメーカーの協力なしには解決できないとしたうえで、「JTCAはメーカーと対立する団体ではない」と説明 | 8月1日 |
| 参加企業一覧を公開しない理由 | 掲載内容や公開方法を整備中で、企業の確認を得ながら順次公開する | 8月2日 |
| ホームページの誤掲載 | 開設準備段階で確認体制が十分でなく、一部に誤りがあった。現在は掲載前の複数名確認体制を整えて再発防止に努めている | 8月2日 |
| 今後の活動 | 文化の普及、地域イベント・大会の開催支援、子ども/初心者向け入門教室、業界関係者との勉強会。偽物・詐欺・盗難品の流通防止の啓発、警察等の関係機関との連携窓口機能、カードショップへの注意喚起・情報共有体制の整備 | 8月2日 |
| 意見への対応 | 意見や指摘は真摯に受け止める。設立初期段階のためすぐに十分な説明が難しい場合もあるが、事実関係を確認しながら運営改善や情報発信に活かす。会員・非会員を問わず送れる問い合わせフォームを整備中 | 8月5日 |
メーカーについての回答は、「参加している」ではなく「説明し、意見を伺いながら連携を進めている」という表現である点に注意が必要です。執筆時点で、大手カードメーカーの参加が公表された事実は確認できません。
また、8月2日の回答は「参加企業一覧が7月22日夜に非公開になった件」について、「誤掲載があった」「開設準備段階で確認体制が十分でなかった」という形で協会として初めて理由に触れたものです。ただし、どの企業のどの記載が誤りだったのかは説明されていません。
編集部の受け止め|答えた論点と、まだ埋まっていない論点
Q&A連載によって、7月に集まった疑問のうち「会費」「議連との距離」「誤掲載の理由」については、協会側の説明が一応そろいました。SNS上の批判に沈黙せず、1問ずつ文章で答えている点は、設立初期の団体としては丁寧な対応と言えます。
一方で、次の論点は執筆時点でも埋まっていません。
- 参加企業の一覧: 公式サイトは引き続き「COMING SOON」のまま。「順次公開」の時期は示されていない
- 協力者の顔ぶれ: 氏名非公表の協力者がいることは説明されたが、誰がどう関わっているかは不明
- 活動実績: Q&Aで挙がっている入門教室・勉強会・啓発活動はいずれも「予定」であり、実施実績の公表はまだない
- 収支の裏付け: 「役員報酬なし・自己負担」は自己申告で、決算資料による確認はできない
つまり、説明は増えたが、外から検証できる材料はまだ増えていないというのが現状です。参加企業一覧の公表と、初年度の活動報告・決算公告が出るタイミングが、次の判断材料になります。
設立の背景|3384億円市場と顕在化した課題
新しい業界団体が立ち上がる背景には、トレカ市場の急拡大があります。
日本玩具協会の調査によると、国内トレカ市場は2025年度に約3384億円に達し、2017年度以降拡大が続いています。玩具市場全体の約30%を占める規模です。
市場の拡大と並行して、次のような課題が社会問題として顕在化してきました。
- 偽造品の流通
- 転売目的の大量購入・買い占め
- マネーロンダリング(資金洗浄)への悪用が指摘される高額取引
こうした課題は個々の店舗やメーカーの自主対応だけでは解決しづらく、業界横断のルール作りを求める声が強まっています。2026年7月23日には、自民党の有志議員によるトレカ議連(議員連盟)の設立総会が開かれ、業界団体や経済産業省から課題を聴取する動きも始まりました。政治・行政側の動きの詳細は、以下の記事で整理しています。
日本トレーディングカード協会の設立は、こうした「業界の声をまとめる受け皿が必要になった」流れの中に位置づけられます。報道によると、同協会の理事は7月23日のトレカ議連設立総会に出席予定とされており、協会も公式Xで理事の登壇を告知しています。業界団体側の受け皿の一つとして関わっていく見込みです。
今後の注目ポイント
設立から1年に満たない団体であり、評価を下すのはまだ早い段階です。編集部として、中立的な観点から次の点に注目しています。
- 参加企業の顔ぶれ: 大手メーカー・大手ショップチェーンが参加するかどうかで、業界団体としての代表性は大きく変わります。一覧は「順次公開」とされたまま、執筆時点でも「COMING SOON」です
- 詐欺・不正対策の具体化: 掲げている詐欺撲滅・健全化が、ガイドラインや認証制度など目に見える形になるか
- 警察との情報共有の運用開始: 神奈川県警察との取り組みが検討段階から実運用に進むか、他の都道府県警へ広がるか、対象店舗が会員企業に限られるのか
- 活動実績と収支の公表: 入門教室・勉強会・啓発活動といった「予定」が実施され、初年度の活動報告や決算公告で会費・運営費の実態が確認できるようになるか
- 役員体制の確定: 8月に役員一覧の記載が変わった経緯を含め、基準日の更新された役員一覧が示されるか
- 政治・行政との接点: トレカ議連や経済産業省との協議に、どの業界団体が関わっていくのか
トレカプロでは、協会の活動や業界のルール整備の動きを継続的にウォッチしていきます。
よくある質問
Q1日本トレーディングカード協会は公的な機関ですか?
公的機関ではありません。2025年11月14日に設立された民間の一般社団法人です。一般社団法人は登記のみで設立でき、行政の許認可や認定を受けた団体であることを意味しません。
Q2どんな企業が参加していますか?
執筆時点(2026年8月19日確認)でも、公式サイトの参加企業一覧は「COMING SOON」のままで、公式には公表されていません。報道によると、一覧は一時公開されており、カードショップ中心の9社が掲載されていましたが、2026年7月22日夜に非公開となりました。協会は8月2日の公式Q&Aで「開設準備段階で確認体制が十分でなく一部に誤りがあった」「企業の確認を得ながら順次公開する」と説明しています。役員には株式会社マルチプル、株式会社YAMAKOMA ASSET BANKなどの代表が就任しています。また、2026年7月24日には、MTG専門店大手「晴れる屋」代表の齋藤友晴氏がXで協会への加盟を表明しています。
Q3参加(入会)するにはどうすればいいですか?
公式サイトの会員規約によると、所定の書面またはウェブサイトの申し込みフォームで申請し、承認を経て入会する仕組みです。年会費は口数方式で、賛助会員(法人等)が1口年額50,000円、一般会員(個人)が1口年額1,000円と定められています。参加メリットとしては、業界ネットワーク、イベントの協賛機会、公式大会への特別参加枠などが挙げられています。なお、規約上、一般会員・賛助会員には社員総会における議決権はありません。
Q4代表理事の水野由将氏はどんな人物ですか?
公式サイトの役員一覧(基準日2026年7月1日)では、2026年8月19日時点で水野由将氏の肩書は「(一社)日本トレーディングカード協会 会長」と記載されています。7月24日時点では「株式会社TRI-TRY 共同代表・株式会社Arsales 共同代表」と記載されており、記載内容が変わりました(本記事初稿の執筆時点では肩書の記載自体がありませんでした)。もう一人の代表理事は伊藤奈保子氏で、協会の事務局長を兼務しています。なお同じ時期に、理事として記載されていた八塚健氏(株式会社はっち 代表取締役)の記載がなくなっていますが、理由についての協会の説明は確認できていません。
Q5警察との連携はしていますか?
2026年8月10日に、神奈川県警察と連携し、盗難トレーディングカードの流通防止に向けた情報共有の検討を開始したと公式Xで発表されています。神奈川県警察から盗難カードの情報提供を受け、トレカ専門店へ迅速に共有する情報提供窓口となる構想で、将来的には全国の警察との体制構築を目指すとしています。ただし現時点は検討段階で、運用開始時期や対象店舗の範囲は公表されていません。
Q6会費はもう徴収されているのですか?
協会は2026年8月5日の公式Q&Aで、「設立初期段階のため会員募集を本格的に開始しておらず、会費を支払っている企業・団体・個人はまだない」と説明しています。あわせて、役員報酬は発生しておらず、運営費は理事・役員が負担しているとしています。ただし会員規約自体には年会費の定め(賛助会員1口年額50,000円・一般会員1口年額1,000円)があり、会員募集の本格開始後は会費を預かる予定とされています。使途は文化の普及活動、イベント運営、入門教室、被害防止の情報発信、広報誌・活動報告の作成、事務局運営などと説明されています。
Q7政府や議員連盟から資金提供を受けていますか?
協会は2026年8月14日の公式Xで、政府や議員連盟から活動資金の提供は受けておらず、運営費は理事・役員の自己負担で賄っている、独立した立場で運営していると説明しています。議連との関係についても、8月2日のQ&Aで「意見交換や情報共有を行う関係」であり、議員連盟が協会の運営や意思決定を行うことはないとしています。いずれも協会側の説明で、決算資料などの第三者が検証できる裏付けは執筆時点で公表されていません。
Q8「日本トレカセンター」と関係がありますか?
公開情報上、関係を示す情報はありません。株式会社日本トレカセンターはオンラインオリパサービスの運営企業で、協会の役員にも、報道で伝えられた参加企業にも名前は見当たりません。名称は似ていますが別の組織と考えられます。
Q9日本玩具協会とは別の団体ですか?
別の団体です。日本玩具協会は玩具業界全体を対象とする歴史ある団体で、トレカ市場規模の調査元としても知られています。日本トレーディングカード協会は2025年設立のトレカ専門をうたう新しい団体です。また、略称「JTCA」は日本運輸協力協会など別分野の団体も使用しているため、混同に注意してください。
まとめ
- 日本トレーディングカード協会(JTCA)は、2025年11月14日設立の一般社団法人。トレカを文化・産業として育て、国内外に発信することを掲げる
- 活動の柱は「文化をつなぐ」「プレイヤーを育てる」「地域を支える」の3つ。詐欺・不正対策や公式大会の運営にも言及している
- 公的機関ではなく民間団体であり、業界を代表する地位が制度上定められているわけではない
- 会員制度は会員規約で公表されており、年会費は賛助会員(法人等)1口5万円・一般会員(個人)1口1,000円の口数方式。一般会員・賛助会員に社員総会の議決権はなく、賛助会員には口数に応じた特典プラン(A・B・C)がある。一方、参加企業の一覧は執筆時点で未公表。報道によると一覧は一時公開されており(カードショップ中心の9社)、2026年7月22日夜に非公開となった。協会は公式Xで「サイトは一部未完成で順次整備中」と発信し、その後「会員であることが特定企業の認定・評価・推奨を意味するものではない」との説明も重ねている。2026年7月24日には晴れる屋代表・齋藤友晴氏がXで加盟を表明した
- 協会は7月24日夜、公式Xで「批判やご意見そのものを問題視するものではない」としつつ、虚偽の事実の流布や名誉毀損・悪質な投稿には発信者情報開示請求等の法的措置を講じる方針を表明(一部案件はすでに手続き中とする)
- 2026年8月10日には、神奈川県警察と連携し盗難トレカの流通防止に向けた情報共有の検討を開始したと発表。盗難情報をトレカ専門店へ共有する「情報提供窓口」となる構想で、将来的には全国の警察との体制構築を目指すとする。ただし現時点は検討段階で、運用時期・対象店舗の範囲は未公表
- 編集部にも同時期、神奈川県警察本部の捜査部門から買取店への情報共有について協力を求める照会が届いている。背景には、鑑定書付きの高額カードの窃盗事件で品触れ・手配書の配布先を把握できず捜査が難航しているという現場の事情がある。当面照合が成立しやすいのは、認定番号で個体識別できる鑑定済みカードが中心とみられる
- 協会は7月25日、オンラインオリパへの対応方針を表明。「規制推進や事業形態の是非判断は主目的でない」「無条件の肯定も一律否定もしない」「明確な問題があれば個別対応」とする中立的立場を示した
- 7月31日からは公式Xで「JTCAに関するQ&A」の連載を開始。会費は「会員募集を本格開始しておらず、支払っている企業・団体・個人はまだない」、役員報酬は発生しておらず運営費は理事・役員の自己負担、政府・議員連盟からの資金提供はない、と説明している(8月5日・8月14日・8月18日)。参加企業一覧の非公開についても「開設準備段階で確認体制が十分でなく一部に誤りがあった」「企業の確認を得ながら順次公開する」と初めて理由に触れた(8月2日)
- 一方で、参加企業一覧は執筆時点でも「COMING SOON」のままで、活動は「予定」の段階、収支の裏付けとなる資料も未公表。説明は増えたが外から検証できる材料はまだ増えていない
- 公式サイトの役員一覧(基準日は2026年7月1日のまま)は8月に記載が変わり、代表理事・水野由将氏の肩書が「株式会社TRI-TRY 共同代表・株式会社Arsales 共同代表」から「(一社)日本トレーディングカード協会 会長」に、理事として記載されていた八塚健氏(株式会社はっち 代表取締役)は記載なしになった。理由について協会からの説明は確認できていない
- ユーザー層からは歓迎より戸惑い・疑問の声が目立つ。論点は「説明の順序」「目的・透明性」「会費」。非公式アンケートでは「まず説明を」「意味不明」が大半を占め、「取引・資産の話に偏らずプレイヤー・子ども目線を」という声もある。ただし個人の意見であり、協会側の説明とあわせて判断すべき段階
- 背景には約3384億円まで拡大したトレカ市場と、偽造品・買い占め・マネロンといった課題の顕在化がある。トレカ議連の発足など、業界のルール整備を巡る動きとあわせて注視したい
※ 執筆時点(2026年7月23日、最終更新2026年8月19日)の公開情報と、編集部に届いた照会内容に基づく解説です。役員一覧・参加企業一覧の記載は2026年8月19日に確認した内容です。捜査中の案件に関わる部分は、担当者名・事件の詳細を伏せて要旨のみを記載しています。参考: 協会公式サイト / 協会について / 参加企業 / 会員規約 / 協会公式X / 国税庁法人番号公表サイト(法人番号 9010505003661) / KAI-YOU「3000億円市場となった“TCG”に新たな動き」 / オタク総研「事実上の“ショップ連合”で活動本格化…参加企業が突如非公開に」 / 協会公式Xポスト(神奈川県警察との連携・2026年8月10日) / 協会公式Xポスト(JTCAに関するQ&Aについて・2026年7月31日) / 同(会費を受け取っているか・2026年8月5日) / 同(会費の使途・2026年8月5日) / 同(政府・議員連盟からの資金提供・2026年8月14日) / 同(運営体制・2026年8月18日)